ユニセフ:ウクライナの子どもの7割物資やサービスを欠く「物質的剥奪」状態 (2025年7月14日)
ウクライナの子どもの7割物資やサービスを欠く「物質的剥奪」状態
ユニセフ「子どもへの投資を復興の中心に」と訴え~
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©UNICEF/UNI766268/Filippov
●ユニセフ「子どもへの投資を復興の中心に」と訴え
ユニセフ(国連児童基金)が本日発表した最新のデータによると、ウクライナの子どもの約70%、およそ350万人が、十分な食料や住む場所などを含む、基本的な物資やサービスを欠いた「物質的剥奪」の状態で暮らしています。2022年2月に戦争が激化する以前の2021年には、この割合は約18%でした。ユニセフは、子どものためのサービスや仕組みへの緊急の投資は、この国の未来を保護し、築き上げるために不可欠、と訴えています。
●物質的剥奪が深刻化
物質的剥奪は、貧困の明白な指標であり、栄養価の高い食品や適切な衣類、家庭の暖房、教材などの生活に必要な物を手に入れられないことを含んでいます。これは、子どもから最低限の生活水準を奪い、子どもの長期的な発達、教育、健康、将来の機会に悪影響を及ぼします。
ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは次のように述べています。
「ウクライナでの戦争は、この国の子どもに甚大な被害をもたらし続けています。子どもたちと、彼らが必要とするサービスとに投資することが、ウクライナの未来を守る最善の方法です。現在行われている人道支援は、差し迫ったニーズに対応しつつ、持続的な成果ももたらすよう調整されています。しかし、それは、現在と将来の子どもたちに恩恵をもたらすウクライナの長期的な復興への投資を犠牲にして行われるべきではありません」。
2022年2月以降、2,786人ほどの子どもが命を落とすか、けがを負っています。ウクライナの子どもの3分の1が、上下水道が機能しない家で暮らしており、ほぼ半数が家庭や戸外で遊ぶ場所がありません。きわめて重要な水と衛生設備、エネルギーインフラ、子どもが暮らす家、学校、保健医療施設への絶え間ない攻撃に加え、貧困下にある人々が増え、物質的剥奪が深刻化しています。
ウクライナはまた、深刻な人口動態の課題にも直面しています。出生率は35% 低下し、何百万人もの女性や子どもが国外に避難しています。
●子どもへの投資を復興の中心に
すべての子どもとその家族、とりわけ戦闘が行われている最前線の近くに住む子ども、障がいのある子ども、施設や里親家庭で暮らす子ども、そして自宅から避難した子どもが、質の高い包摂的な社会サービスや、教育、ヘルスケアを継続的に受けられることが不可欠です。
ラッセル事務局長は次のようにも述べています。「幼児期から青年期までのウクライナの子どもと若者を保護し、育成するチャンスは今です。この国の未来は、今、行動を取るかどうかにかかっています。子どもたち自身、そして彼らの教育、安全、健康、そして発達を、ウクライナの復興の中心に据えなければなりません。そのためには、乳幼児期の子どもの発達と質の高い教育に投資し、若者たちに成功するために必要なスキルを身につけさせる必要があります。何よりも、ウクライナの子どもたちは、さらなる危険から守られなければなりません。彼らは平和を必要としているのです」
ウクライナ緊急募金
全国の郵便局(ゆうちょ銀行)窓口からのお振込みも可能です。
振替口座:00190-5-31000 口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ウクライナ K1-030 岩手県ユニセフ協会」と明記ください。
*窓口でのお振込は、送金手数料が免除されます。
(出典:公財:日本ユニセフ協会ホームページ)
<お問合せ先>
(公財)日本ユニセフ協会:0120-88-1052(平日 10時~17時)
岩手県ユニセフ協会 電話:019-687-4460(月~木 10時~15時)
(公財:日本ユニセフ協会協定地域組織)